いじめ問題の悪用

お盆休みで祖母の家に出かけ、ふと新聞を手に取ったところ、
「いじめている君へ」という、経済学者の金子勝氏の記事がありました。
ちなみに、私はこの方を森永卓郎氏と同様に、経済学者だとは思っていないのですが。
経済学は資本主義の学問だと思いますので。

大津のいじめの関連かと思って、読んでみたのですが、やはり書いている人が人なだけに、ものすごい内容でした。
要約すると、
「いじめている君は、今の大人のまねをしてはいけません。たとえば、芸能人の生活保護を問題にした国会議員。
君がいじめている相手と、その芸能人は同じ立場ではないですか?芸能人は人気商売なので、何の反論もできなのに。」
という内容です。
原文は検索していただければ朝日新聞のサイトに載っています。

本当に腹が立ちます。
ということは、何ですか?5千万ともいわれる年収がありながら、実の親を扶助しない芸能人と、
いじめられた子は同じ類だというでしょうか?
成人し、さらに人気芸能人ということで、多額の収入がある。
大手の芸能事務所に所属し、記者会見も開いてもらえ、自分の主張もできる。さらに、事務所の弁護士がサポートしてくれる。
この状況のどこがいじめられているんでしょうか?

記事では、「法律違反をしたわけでもない」などと書かれていましたが、
法律違反をしたわけではないなら、堂々ともらい続ければいいではないでしょうか。
しかし、法律には扶養義務が記載されており、受け取っていた本人も、誤りを認めて謝罪したのではないでしょうか。

いじめというか、傷害事件で被害に遭っている人間に対して、本当に失礼極まりない内容です。
未成年で、絶えず多人数から暴力を受け、お金まで奪われ、教師に相談しても力になってもらえない状況の人間と、
例の芸能人がどう同じなんでしょうか?
いじめを受けている人は、例の芸能人のように、社会的、道義的に問題となる行動をしているとでもいうのでしょうか。

単純に片山議員の言動や行動が、気にくわないといいたいだけなのでしょう。
いじめにかこつけて、議員批判とは。自殺されるまでに追い込まれる人間を、馬鹿にしているのではないかと思います。

ならば、全国紙で一方的に相手に反論の機会も与えず、いじめに絡めて議員を批判する。
それはいじめではないのでしょうか?金子氏の論理なら、それはいじめではないですか?
(私は、議員批判も結構だと思いますが、それと同様、芸能人の批判も結構なことだと思います。)
芸能人はいじめてはだめで、議員はいじめてもよいのでしょうか?
社会的に問題がある行為は、議論の対象となるべきではないでしょうか?

簡単に学校で行われている陰湿ないじめと、
少ない収入でもまじめに納税している人の税金を、姑息な手法で収得した人間を批判することと、同列に扱わないでもらいたいものです。

ちなみに、祖母の家は以前読売でした。しかし、あまりに読売の営業が偉そうなので、祖父が朝日に変えたままです。祖父も亡くなり、新聞も読まれることがないまま、積まれていました。こんな記事ばかりでは、高齢世帯が惰性で買ってくれるだけでしょう。